雲城水(うんじょうすい)

〈アクセスのご案内〉

 

小浜ICから小浜市市街地方向へ西進した後、国道162号を北進し、NTT前交差点を左折してすぐ。

雲城水とは

ふくいのおいしい水「雲城水」は、小浜市一番町の船溜まり横にある雲城公園の自噴井戸のことです。地下30mの砂礫層から地下水(淡水)が自噴しています。一番町は古くから湧水の豊富な地として知られており、今でも掘り抜き井戸が完備されているところもあり、生活用水として利用されています。「雲城水」とは、このあたりの湧水すべての総称です。

上水道が完備されても、多くの人々がこの「雲城水」の名水を飲料水として、また、料理に利用しており、生命の水として大切に守り続けられています。

 

「雲城水」の特徴は軟水ということ、軟水は食材の味を引き出す能力が高いと言われており、昆布や鰹節の旨味を引き出します。また、緑茶や紅茶など茶葉の甘みを引き出すことも知られています。そのため、一般家庭での利用はもちろんのこと、近隣のレストランや料亭などのこだわりの水として重宝されています。

 

源泉は「鵜の瀬」の山々

地下水の源泉は、遠敷川(鵜の瀬)の上流付近の山々、上根来水源の森と言われており、若狭の豊潤な自然のフィルターによってじっくりと育まれ、百年という時をかけ、この「雲城水」に湧き出してきます。

 

水への感謝

一番町は古くから豊かな地下水に恵まれてきましたが、その反面、水禍に見舞われることも多かったため、昭和30年に、東京日本橋から水天宮を分霊して「雲城水」の脇に祀りました。毎年723日に「水まつり」の神事を行い、水難除けと水への感謝を祈願しています。

 

 

湧水の宝庫「小浜」

 

小浜市内には126箇所の自噴井戸が確認されています。目前に港を控える「雲城水」を象徴とするように、海のすぐ傍であっても豊かな淡水が自噴しています。海中でも多くの湧水が確認されており、若狭湾と湧水の研究は今後さらに進められます。

津島名水(つしまめいすい)

〈アクセスのご案内〉

 

小浜ICから小浜市市街地方向へ西進した後、国道162号を北進し、NTT前交差点を左折した後、一つ目の信号を右折してすぐ。

海の目の前で自噴する津島名水

「雲城水」から150m北西にあり、雲城水同様、すぐ目の前は船着場、漁港に面した海岸近くで湧き出している水です。地域住民が管理しており、水場には屋根が設置されています。

地下から湧き出る水は、海に隣接しているにもかかわらず海水の混じりけのない真水です。機械によるポンプアップではなく自噴で湧いています。

 

地域の人々は、飲料水やお茶やコーヒーなどを淹れる水、お米を炊いたり、料理を作ったりする大切な生活水として使ってきた文字通りの名水です。

中には畑の水として汲んでいく人もおり、「この水で野菜やスイカを育てると甘みが増すんだよ、美味しいんだよ」と話されていました。

 

地元の方々に聞いてみたところ、いつからあったのかということは不明ですが、古くから使われてきたのではないかということです。以前、このあたりの地域には廻船問屋が5~6軒あった時期があり、船乗りたちがこの水を汲みにきていたそうです。航海のための貴重な水としても使われていたわけです。

また、魚の水揚げ場も近くにあったことから、津島名水を活用して魚の加工を行っていたそうです。地域住民は洗濯から炊飯、食器を洗うことまでこの水を使っていました。

 

この水を中心に地域のコミュニティが形成され、情報交換や会話の場所としても機能していた大切な水場です。現在は、当然ながら各家に上水道が完備されていますが、それでもなおこの津島名水を汲みに来る人々が一日中絶えないことに驚かされます。

そういった意味では、今なお続く「水を中心とした社交場」と言え、生活に密着した大変貴重な存在となっています。

 

物流の拠点だった港町に欠かせなかった名水

津島区は、江戸時代中頃から大正時代の初めまで、北前船や加賀船などの千石船で大賑わいの若狭随一の物流拠点でした。倉庫業としての廻船問屋や船荷問屋、艀(はしけ)業者や陸上の輸送業者や造船業者、宿屋が軒を連ね、大土蔵が列をなして立ち並んでいた地域です。まさに好景気の時代、現在もその名残で津島区内には土蔵が数多く残っています。

 

当時は、若狭小浜港川崎の商人として、東北や北海道道南地方までその名が轟いていたそうです。現在では魚の水揚げ量も少なくなり、漁業を営む人もほとんどいなくなり、港に停泊している船はほとんどが遊漁船です。

 

地元地域の人々にとっては当たり前の存在ですが、海の目の前で100年以上も自噴する湧水は、大変貴重な存在です。この名水を未来に残していこうと、今、津島区の人々が動き出しています。地球温暖化や自然環境の急激な変化が叫ばれる現在、こうした貴重な水場・湧水の価値に気付き、使いながら整備し未来へつないでいこうという行動は大変意義のあることです。

 

地域の方々も、また、近隣や遠方からこの津島名水を利用しに来る方々も、こうした価値・意義に共感いただいてこの名水を利用して頂きたいと願っています。

 

※引用:福井名水 ふくいめいすい「ふくいのおいしい水」